【億男/川村元気著】宝くじで3億円当たったらどうしますか?

読書ブロガーminamiさん(@baka_doku)のツイッターでこの本を知りました。
面白そう!と思って本屋さんへ行くと、「佐藤健&高橋一生で映画化!」の帯が付いていてますます興味が沸きました(単なるミーハーです)

映画では一男を佐藤健さんが、九十九を高橋一生さんが演じます。

 

あらすじ

図書館司書をしている一男は妻(万佐子)と娘(まどか)とごく普通に暮らしていた。

しかしまどかが小学生になるころ、弟が3,000万円の借金と妻と子を残し消えてしまう。
一男はその借金を肩代わりすることにし、借金返済のため図書館司書とパン工場勤務のダブルワークを始める。

住んでいた家も引っ越し、節約生活を始め、まどかの習い事も続けさせてやれない状況になったところで、妻がまどかを連れて出て行った。

そんなとき、もらった宝くじで3億円が当たった。
宝くじで大金を手にした人の人生をネットで調べたところ、何一ついいことは書かれていない。
大金と不安をかかえたとき、大学時代の親友 九十九(つくも)を思いだす。大学卒業後に起業して今は成功を治め、大金持ちになっているらしい。彼に「お金と幸せの答え」を聞いてみるために会って話をするが、一男の3億円とともに消えてしまった。

「3億円」と「九十九」と「お金と幸せの答え」を探す一男の日々が始まる。

 

「お金と幸せの答え」とは

大学の卒業旅行以来、久しぶりに会った一男と九十九。2人は親友だった。
九十九は起業して成功し、大金持ちになっている。

九十九は一男に聞いた。
「君は、お金が好きかい?」
「一万円札の大きさを知ってるかい?」

一男の返事は
「お金はもちろん、好き」
「一万円札の大きさは、知らない」

そして九十九は続ける。
「調べればすぐに分かることだよ。(中略)君はお金が好きじゃないんだ。本当に興味があれば、お金のすべてを知ろうとするはずなんだ。」
「一男くん、君は、少し調べるだけで分かるあたりまえのルールを知ろうともしなかった。お金の世界では、このルールを理解しているものが富み、知らない人間が貧しくなっていく。ポーカーやチェスと変わらない。そこには、だれにでも平等なルールがあるだけなんだよ。そのルールを理解し、勝てるまで学び、考えて行動する。それだけが勝敗を分けている」

ルールは万人にとって平等である。

そう教えてくれた九十九だったが、換金した3億円とともに一男の前から消えてしまった。

一男は九十九と3億円の行方を探すことにした。九十九と一緒に会社を経営し、その会社を売却して多額のお金を得ていた3人と会った。
その3人に「九十九の居場所」と「お金と幸せの答え」を問う。

結果、3人とも九十九の居場所は知らなかった。

・大金を手元に置いて毎日その存在を確認し、つつましい生活を送る人
・お金をいくら持っていてもお金を失う恐怖を感じ、稼ぎつづける人
・宗教の教祖となって信者からお金を搾り取るがお金の使い方がわからず、まったくお金を使えない人

大金を持っているのは同じだが、生活は三者三様。
一男は はっきりとした「お金と幸せの答え」を見つけることはできなかった。

しかし、九十九が3億円と一緒に消えたことによってお金と真正面から向き合うことができた。

 

※「 」部分は億男/川村元気著からの引用です。

まとめ

『もし、宝くじが当たったらどうする?』なんて考えたりしますか?
わたしは考えます(笑)しかも夫と一緒に。
本当にバカげた話かもしれませんが、2人で盛り上がります。

夫とは一緒にテレビを見て話をしたり、コンサートへ行ったりすることが共通の趣味みたいなものです。
2人で一緒に何かする、別々のことをしながらも一緒の空間にいる。
そんな状況をたまに「とても幸せだな~」と思うことがあります。

同じ空間にいて、同じ時間を過ごす。
万佐子が欲しかったのもこれじゃないのかな。

肩代わりした借金3,000万円。これがもし住宅ローンだったとしたら。
弟が戻ってきたときの居場所を作るためなのか、弟の妻子の場所を奪わないためなのか理由はわからないけど一男は借金を返済していくことにした。
万佐子の親に頼ることもできたのに、一男のプライドなのかWワークして返済していくことを選んでしまう。
返済していくには10年以上の年月がかかる。その間に娘のまどかも成長する。子供の間のかけがえのない時間を家族として一緒に過ごせなくなってしまう。

とにかく頑張って借金さえ返済してしまえば元の家族に戻れると思っている一男。
失った時間は取り戻せないし、失った信用は取り戻すのは難しい。
ましてやお金では解決できない。

自分にとって大切なモノは何なのか。考えるきっかけになった本でした。

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